さちこのどんぐり
~彼氏はできるか?
10月に入ったある日
「こちらのお店を担当します小野寺です。」
奈津美のアルバイト先のファミレスで
彼女が期待に胸を膨らませて会った小野寺一樹は
グレーのスーツに身を包んでいるものの、彼女の周りにいる同年代の男と
大して変わらないように見えた。
むしろ、とても「頼りない」印象だった。
これまで社会人といえば坂崎を見ていたからかもしれないが、
奈津美は少しがっかりしてしまった。
しかも
「えっと…在庫表はどこですか?」
アルバイトの奈津美にそんなことを聞いてくる。
「レジが置いてあるカウンターの下に引き出しがありますから、その中です」
「ここかな?どれ?」
「緑のファイルです」
「このデータをアウトプットしたのは?」
「店長ですよ。どの店舗でもそうじゃないんですか?」
小野寺が何店の担当を持っているのか、奈津美は知らなかったが、
そんな感じで仕事してたら、
担当店舗を全て、訪問しきれないんじゃないかと心配になるくらい、
小野寺の仕事ぶりは優秀とは言えなかった。
「こちらのお店を担当します小野寺です。」
奈津美のアルバイト先のファミレスで
彼女が期待に胸を膨らませて会った小野寺一樹は
グレーのスーツに身を包んでいるものの、彼女の周りにいる同年代の男と
大して変わらないように見えた。
むしろ、とても「頼りない」印象だった。
これまで社会人といえば坂崎を見ていたからかもしれないが、
奈津美は少しがっかりしてしまった。
しかも
「えっと…在庫表はどこですか?」
アルバイトの奈津美にそんなことを聞いてくる。
「レジが置いてあるカウンターの下に引き出しがありますから、その中です」
「ここかな?どれ?」
「緑のファイルです」
「このデータをアウトプットしたのは?」
「店長ですよ。どの店舗でもそうじゃないんですか?」
小野寺が何店の担当を持っているのか、奈津美は知らなかったが、
そんな感じで仕事してたら、
担当店舗を全て、訪問しきれないんじゃないかと心配になるくらい、
小野寺の仕事ぶりは優秀とは言えなかった。