さちこのどんぐり
◆笑顔
~出会った笑顔
夜10時頃
いつもより遅くにアルバイトが終わって、
前嶋奈津美が部屋に帰る途中のことだった。
クリスマスを間近に控えていた寒い夜。
いろいろあって落ち込んだり、悩んだりしながらも
少しずつ前を向いていこうと奈津美は思っていた。
最近いつも着てる彼女のピンクコートのポケットには「どんぐり」がひとつ。
最寄り駅で電車を降りて、家路を急ぐ奈津美の前方。
駅前通りから少し歩いて最初の交差点に奈津美がさしかかった辺りで
道端に白い犬が座ってるのが見えた。
大の犬好きだった彼女は思わず
「わぁ!犬だぁ!」
でも、なんだか妙におとなしい犬で
ほとんど動かない。
その犬の辺りを通りかかった二人の女子高生が、
そこへ近づいたかと思ったら
突然、「キャー」と悲鳴をあげて犬から離れて行った。
「???」
…と思い、奈津美がその白い犬のそばに行ってみると
「…………!!!」
犬は、お腹の下の辺りから尻尾、後ろ足にかけてたくさんの血が出ている。
「この犬、ケガしてる!どうしよう…」
奈津美は実家でも犬を飼っているくらい大の犬好きだが、
そんな状況に、どうしていいかわからず、血を流している犬を見ているうちに次第に
怖くなってきて、
思わず、その場を離れようとしてしまった。
いつもより遅くにアルバイトが終わって、
前嶋奈津美が部屋に帰る途中のことだった。
クリスマスを間近に控えていた寒い夜。
いろいろあって落ち込んだり、悩んだりしながらも
少しずつ前を向いていこうと奈津美は思っていた。
最近いつも着てる彼女のピンクコートのポケットには「どんぐり」がひとつ。
最寄り駅で電車を降りて、家路を急ぐ奈津美の前方。
駅前通りから少し歩いて最初の交差点に奈津美がさしかかった辺りで
道端に白い犬が座ってるのが見えた。
大の犬好きだった彼女は思わず
「わぁ!犬だぁ!」
でも、なんだか妙におとなしい犬で
ほとんど動かない。
その犬の辺りを通りかかった二人の女子高生が、
そこへ近づいたかと思ったら
突然、「キャー」と悲鳴をあげて犬から離れて行った。
「???」
…と思い、奈津美がその白い犬のそばに行ってみると
「…………!!!」
犬は、お腹の下の辺りから尻尾、後ろ足にかけてたくさんの血が出ている。
「この犬、ケガしてる!どうしよう…」
奈津美は実家でも犬を飼っているくらい大の犬好きだが、
そんな状況に、どうしていいかわからず、血を流している犬を見ているうちに次第に
怖くなってきて、
思わず、その場を離れようとしてしまった。