さちこのどんぐり
時間も遅くなり、
「もしかしたら奈津美は、もう自分の部屋に帰ってしまっているかも」
と考えて、大森が自分の部屋に帰る決心をしたのは、日付が変わる少し前。
マンションの下から確認しようとしたが、大森の部屋の灯りは確認できなかった。
「奈津美に会ったら、最初になんて話そうか?」
そんなことを考え悩みながらエレベータで上階に向かう。
コートのポケットからカードキーを取り出して、
大きな音がたたないように、ゆっくり開錠し、
自室のドアを開けると、エントランスにはまだ奈津美の茶色い靴があった。
静まり返っていた室内を進み、リビングに入ると
ソファには、ボーダーのセーターにデニムのハーフパンツ姿で
待ちくたびれて眠ってしまっている奈津美がいた。
キッチンには、あとは焼くだけの大きなハンバーグとラップのかかったサラダ。
大森はコートを脱いで、眠っている奈津美を見ていた。
綺麗に整えられた眉毛のしたで、長い睫によって閉じられた目。
起きているときは、いつもこの目が表情豊かにキラキラしている。
鼻はそんなに高くはないが、まだ、子供っぽい輪郭と合わせて、
大森は「かわいいなぁ」と思って見ている。
そんな寝息をたてて眠っている奈津美を見ていると、いまにも
「かーたん!おかえり!見て、見て、今日のハンバーグおっきいよー!」
いつものように大森を迎えてくれる奈津美の声が聞こえてくるようだった。
「もしかしたら奈津美は、もう自分の部屋に帰ってしまっているかも」
と考えて、大森が自分の部屋に帰る決心をしたのは、日付が変わる少し前。
マンションの下から確認しようとしたが、大森の部屋の灯りは確認できなかった。
「奈津美に会ったら、最初になんて話そうか?」
そんなことを考え悩みながらエレベータで上階に向かう。
コートのポケットからカードキーを取り出して、
大きな音がたたないように、ゆっくり開錠し、
自室のドアを開けると、エントランスにはまだ奈津美の茶色い靴があった。
静まり返っていた室内を進み、リビングに入ると
ソファには、ボーダーのセーターにデニムのハーフパンツ姿で
待ちくたびれて眠ってしまっている奈津美がいた。
キッチンには、あとは焼くだけの大きなハンバーグとラップのかかったサラダ。
大森はコートを脱いで、眠っている奈津美を見ていた。
綺麗に整えられた眉毛のしたで、長い睫によって閉じられた目。
起きているときは、いつもこの目が表情豊かにキラキラしている。
鼻はそんなに高くはないが、まだ、子供っぽい輪郭と合わせて、
大森は「かわいいなぁ」と思って見ている。
そんな寝息をたてて眠っている奈津美を見ていると、いまにも
「かーたん!おかえり!見て、見て、今日のハンバーグおっきいよー!」
いつものように大森を迎えてくれる奈津美の声が聞こえてくるようだった。