さちこのどんぐり
小野寺一樹にも、
最近になってやっと溜息をつかなくてすむ日が訪れ始めていた。
吉田の言った通りだった。
「時間が解決してくれる」
スマホに残していた「送れなかったメール」も全て消した。
そろそろ新しい恋愛をしよう
そう考えていた。
社員寮に仕事から帰ってきた小野寺は入口に貼ってある妙な貼り紙に気づいた。
「3月25日A.M.10:00より、入り口のカラスを捕獲します。
危険ですから、その時間帯は寮への出入りは控えてください。」
「はああああああ??!!」
小野寺は「一緒にカラスと戦おう」と木村に言われたときの吉田と同じリアクションしかできなかった。
確かに今でもここに住む者の皆がカラスには迷惑していた。
だから、小野寺にとってもカラスを退治してくれるというのは有難い話だったが、
彼が驚いたのは、その張り紙に書かれていた「木村、吉田」という名前だった。
最近になってやっと溜息をつかなくてすむ日が訪れ始めていた。
吉田の言った通りだった。
「時間が解決してくれる」
スマホに残していた「送れなかったメール」も全て消した。
そろそろ新しい恋愛をしよう
そう考えていた。
社員寮に仕事から帰ってきた小野寺は入口に貼ってある妙な貼り紙に気づいた。
「3月25日A.M.10:00より、入り口のカラスを捕獲します。
危険ですから、その時間帯は寮への出入りは控えてください。」
「はああああああ??!!」
小野寺は「一緒にカラスと戦おう」と木村に言われたときの吉田と同じリアクションしかできなかった。
確かに今でもここに住む者の皆がカラスには迷惑していた。
だから、小野寺にとってもカラスを退治してくれるというのは有難い話だったが、
彼が驚いたのは、その張り紙に書かれていた「木村、吉田」という名前だった。