さちこのどんぐり
◆ノラネコさちこ
~二人とマックス
「もういいっ!」
けたたましくドアを閉めて、彼女はまた部屋を出てってしまった。
夜のアパートの外廊下に階段を駆け下りる彼女の足音が響く。
いくら夏だからって、薄い部屋着に足元はサンダルひっかけて…
しかも財布もスマホも持たないままで、
慌てて追いかけようとした小野寺一樹の足元で
「マックス」が彼を見上げている。
「また俺のスニーカーを…」
どういうわけか、マックスは小野寺のスニーカーがお気に入りらしく、
よく、それを口にくわえて尻尾を振ってる。
このミニチュアダックスフンドの「マックス」は
小野寺と彼女が、神戸の湊川にあるこの部屋を借りた2日目から一緒に暮らしている。
けたたましくドアを閉めて、彼女はまた部屋を出てってしまった。
夜のアパートの外廊下に階段を駆け下りる彼女の足音が響く。
いくら夏だからって、薄い部屋着に足元はサンダルひっかけて…
しかも財布もスマホも持たないままで、
慌てて追いかけようとした小野寺一樹の足元で
「マックス」が彼を見上げている。
「また俺のスニーカーを…」
どういうわけか、マックスは小野寺のスニーカーがお気に入りらしく、
よく、それを口にくわえて尻尾を振ってる。
このミニチュアダックスフンドの「マックス」は
小野寺と彼女が、神戸の湊川にあるこの部屋を借りた2日目から一緒に暮らしている。