さちこのどんぐり
忘年会の会場はアルバイト先であるファミレスの近くにある居酒屋。
座敷タイプのスペースで3列のテーブルが並ぶ、やや狭い場所に
15人の団体で予約をしてあった。
開始時刻の19時前に、
白のハーフコートの下に黒のニットを着て、
ベージュのショートパンツに黒のニーハイという格好の奈津美が居酒屋に着くと
「あれ!奈津美ちゃん、なんだか今日は雰囲気違うね」
そんなふうにアルバイト仲間に言われ
「えー別にいつもと変わりないですよ」
なんて答えながら、
今日に向けて準備してきたことに対する手ごたえを奈津美は感じていた。
仕事帰りといった感じの小野寺は少し遅れて居酒屋に到着した。
「遅れてすいません。」
「それでは揃ったんで、改めて席決めしまーす」
幹事が用意したくじ引きで席を決める。
奈津美の席は小野寺の隣だった。
「やっぱり『幸運のどんぐり』の力だぁ。さちこ、ありがとう!」
奈津美は心のなかで叫んだ。
クレーマーの客から助けてもらい、犬の話を聞いたあの日から、
奈津美は小野寺のことをずっと考えていた。
今日は隣で話ができる。
彼女の胸は期待に膨らんでいた。
座敷タイプのスペースで3列のテーブルが並ぶ、やや狭い場所に
15人の団体で予約をしてあった。
開始時刻の19時前に、
白のハーフコートの下に黒のニットを着て、
ベージュのショートパンツに黒のニーハイという格好の奈津美が居酒屋に着くと
「あれ!奈津美ちゃん、なんだか今日は雰囲気違うね」
そんなふうにアルバイト仲間に言われ
「えー別にいつもと変わりないですよ」
なんて答えながら、
今日に向けて準備してきたことに対する手ごたえを奈津美は感じていた。
仕事帰りといった感じの小野寺は少し遅れて居酒屋に到着した。
「遅れてすいません。」
「それでは揃ったんで、改めて席決めしまーす」
幹事が用意したくじ引きで席を決める。
奈津美の席は小野寺の隣だった。
「やっぱり『幸運のどんぐり』の力だぁ。さちこ、ありがとう!」
奈津美は心のなかで叫んだ。
クレーマーの客から助けてもらい、犬の話を聞いたあの日から、
奈津美は小野寺のことをずっと考えていた。
今日は隣で話ができる。
彼女の胸は期待に膨らんでいた。