さちこのどんぐり
山下と妻の初美は進学した大学で同級生として知り合った。
登山ばかりしてた山下が友人に誘われて行った合コン。
その席に彼女がいた。
綺麗なショートボブが頭を振る度に揺れ、明るく微笑む初美に
山下は一目惚れした。
その後
二人は付き合うようになり、
当時、料理好きの初美はよく山下の部屋にご飯を作りに来てくれていた。
バイトに明け暮れてた山下の古くて狭いアパートで
初夏の蒸し暑い日でも
「ライスコロッケ作ったよ。さあ!たくさん食べて」
狭くて冷房なんかないから汗だくになって…
「うまい」山下がそう言うと、
「でしょ! たくさん作ったよ」
「いくつ作ったの?」
「20個…作りすぎちゃった」
その後、山下と初美は結婚したが、
なかなか子供に恵まれなかった。
そんな二人にやっと息子が生まれたときも
山下はこのエベレストにいた。
帰国してから見た
ちっちゃい、ちっちゃい山下の子…
その子が眠ってるのを
ずっとずっと眺めてた山下に初美は
「…幸せだね」
微笑みながら、そう言った。
登山ばかりしてた山下が友人に誘われて行った合コン。
その席に彼女がいた。
綺麗なショートボブが頭を振る度に揺れ、明るく微笑む初美に
山下は一目惚れした。
その後
二人は付き合うようになり、
当時、料理好きの初美はよく山下の部屋にご飯を作りに来てくれていた。
バイトに明け暮れてた山下の古くて狭いアパートで
初夏の蒸し暑い日でも
「ライスコロッケ作ったよ。さあ!たくさん食べて」
狭くて冷房なんかないから汗だくになって…
「うまい」山下がそう言うと、
「でしょ! たくさん作ったよ」
「いくつ作ったの?」
「20個…作りすぎちゃった」
その後、山下と初美は結婚したが、
なかなか子供に恵まれなかった。
そんな二人にやっと息子が生まれたときも
山下はこのエベレストにいた。
帰国してから見た
ちっちゃい、ちっちゃい山下の子…
その子が眠ってるのを
ずっとずっと眺めてた山下に初美は
「…幸せだね」
微笑みながら、そう言った。