さちこのどんぐり
~浩二とオムライス
「ああ…」
朝、洗面所の鏡の前で結衣は後悔した。
昨晩、さんざん泣いたせいで目がパンパンに腫れている。
熱い蒸しタオルを目に当てながら結衣の頭に昨日のことが蘇る。
「もう会いたくない!」
なんで、あんなこと言っちゃったんだろ…
蒸しタオルの効果を鏡で確認した結衣は
「今日は学校ズル休みするしかない」
そう思った。
腫れた目は昼には治った。
今朝は学校に「休みますコール」をした母親も娘は本当に体の具合が悪いんだと信じるくらいの酷い顔だった。
「ちゃんと安静にして寝てるのよ。何かあったら電話ちょうだい」
そう言って仕事に出ていく母の背中に
「ごめん」
と心の中で謝った。
静かな一人の家の中で、やはり考えることは浩二のことだった。
笑ったときの柴犬みたいな顔が大好きだった。
意外ときれいな指が大好きだった。
きれいな横顔が大好きだった。
缶を持つ手のしぐさが大好きだった。
ハンバーガーを大口開けて三口くらいで食べてしまう
そんな浩二が大好きだった。
私が後ろから「待ってよー」って声をかけたときの
振り返る浩二が大好きだった。
浩二は結衣の家の近所のマンションに父親と二人で住んでいる。
小学生の頃はよく遊びに行ったりしていたのに、最近はしばらく行ってなかった。
いまごろはまだ浩二は学校にいるはずだ。
「ちょっと行ってみようかな」
そう思って結衣は浩二の住むマンションに向かった。
朝、洗面所の鏡の前で結衣は後悔した。
昨晩、さんざん泣いたせいで目がパンパンに腫れている。
熱い蒸しタオルを目に当てながら結衣の頭に昨日のことが蘇る。
「もう会いたくない!」
なんで、あんなこと言っちゃったんだろ…
蒸しタオルの効果を鏡で確認した結衣は
「今日は学校ズル休みするしかない」
そう思った。
腫れた目は昼には治った。
今朝は学校に「休みますコール」をした母親も娘は本当に体の具合が悪いんだと信じるくらいの酷い顔だった。
「ちゃんと安静にして寝てるのよ。何かあったら電話ちょうだい」
そう言って仕事に出ていく母の背中に
「ごめん」
と心の中で謝った。
静かな一人の家の中で、やはり考えることは浩二のことだった。
笑ったときの柴犬みたいな顔が大好きだった。
意外ときれいな指が大好きだった。
きれいな横顔が大好きだった。
缶を持つ手のしぐさが大好きだった。
ハンバーガーを大口開けて三口くらいで食べてしまう
そんな浩二が大好きだった。
私が後ろから「待ってよー」って声をかけたときの
振り返る浩二が大好きだった。
浩二は結衣の家の近所のマンションに父親と二人で住んでいる。
小学生の頃はよく遊びに行ったりしていたのに、最近はしばらく行ってなかった。
いまごろはまだ浩二は学校にいるはずだ。
「ちょっと行ってみようかな」
そう思って結衣は浩二の住むマンションに向かった。