闇黒竜 ~1000年の時を越えて~
「ルーファスだ。…それより身体は大丈夫なんだな?」
その言葉にコクンと頷くと、ルーファスお兄さんはフッと顔を緩めた。
その表情に私を心配してくれていたんだと分かる。
どうして初めて会った私を、こんなに心配してくれるのかな?
疑問を投げかけたくても、声が出ない---
いつの間に私の頬から離れたその手は、今度は何かを手にしたのが視界に入る。
「?」
「アイリーン」
「ッ!」
私の名前だ---
何故このお兄さんは、私の名前を知ってるの?
大きく瞳を見開く私をジッと見つめ、そして指で摘んでいるものを私に見せてくる。