闇黒竜 ~1000年の時を越えて~
「きゃぁッ!」
「あ、わりぃ」
あ…、
涙が零れ落ちた---
…と言うより誰かが私にぶつかって来てくれたおかげで、涙が飛び出てしまったのだ。
「いったぁーい」
「あぁ、ほんとゴメン。ちょっと急いでてさ。…ほら」
あまり申し訳なさそうではない男の子の声が頭上から聞こえてきて、私は涙目になりながら見上げる。
地べたに尻餅をついて座り込んだ私に手を差し伸べてきたのは、わんぱくそうな顔立ちで赤い髪色が良く似合う私と年の近い男の子だった。
私と視線が合うとニッと屈託なく笑い、差し伸べてきた手がグッと私の手を掴む。
ひょいッ---
私の手を引き男の子の目の前に立たされた。
目の高さが一緒…
つまりは同じくらいの身長だ---
目の前の男の子を何となく観察していると、その子も同じように私を観察し出した。
綺麗な黄色の瞳が私を無遠慮に見てくる。
何かちょっと気まずなぁ---