闇黒竜 ~1000年の時を越えて~
「えっと…、ありがと?」
「あ、うん」
目を大きく見開くその男の子に首を傾げた。
まだ私をジッと見つめてくる。
何で?
そう思ったけどすぐに分かった。
あぁ…、そっか---
もしかして私の恰好がこの都会には似つかわしくない、田舎娘な恰好だと思っているのかも?
目の前の男の子はどっからどう見ても、良い所の坊ちゃんの恰好だ。
仕立ての良い服は、どこかの貴族様の子供だとすぐ分かる。
それに比べて私の服は、母さんが作ってくれた水色のワンピース。
これでも村に帰ればそれなりの生地で作った服だから、いい服なんだけどな---
そんなにジロジロ見なくてもいいんじゃない?
少しムッとして頬を膨らませた。