桜が咲く季節まで



触れた手が熱くて、ドキドキした。


「うっわ、雨だ‼︎雨宿りしよ‼︎坂本くん
このまま先に走れば、大きな木がたってるの‼︎」



「これ、勉学の神様宿ってるんだろ
思ってたより大きいな」

「そうそう。たくさんの受験生が
この木にお参りくるんだよ」


ふと横を見ると、坂本くんが濡れた眼鏡をふいてた。


わ、眼鏡とったの初めて見た。


「何⁇」

「いや、坂本くんは神頼みとかしなくても
K大余裕で受かるよね‼︎頭いいもんね」


見てるのがばれて、慌ててそういった。


「私は本当に頑張らないと」


「…あんたもK大志望なんだ」

「あ、はい…」


「あんたはさ、凡ミスさえしなきゃ
普通に頭いいだろ。


頑張れ」

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