生意気毒舌年下男子

すると早乙女くんは、あたしの自転車の荷台に乗った。

…は！？





「俺を駅まで送れ」

「はい！？」

「それともお前は、道のわからない俺を置いて、１人自転車で行くのか？」

「そ、そんなことしないけど……。
だからと言って、何で後ろに乗るわけ？」

「不満でもあるのか？」

「あるよ！
何で女子のあたしがアンタを後ろに乗せるわけ？
普通、男子のアンタが前に乗るでしょ？」

「……お前、本物の馬鹿だな」




はぁーっと思い切り溜息をついた早乙女くん。

何でまた馬鹿なんて言われないといけないのよ。





「俺、道わからねぇんだよ？
それなのにお前は俺にこがせる気か？
それこそ遅刻になるけど、良いのか？
……お前、頭大丈夫か？」




自分の頭をツンツン突っつく早乙女くん。

……馬鹿にしてぇ！！




「しっかり掴まってなさいよ！？」

「生憎俺は、そこまで馬鹿じゃない」

「馬鹿とか関係ないし！常識だし！」




あたしは半ば投げやりで、サドルを握った。

そしていつもより重い自転車を、出発させた。