生意気毒舌年下男子






顔を見合わせているうちに。

早乙女くんは先輩の腕から鞄を奪い取った。

そして鞄を、真っ逆さまにした。

中からおにぎり・パックジュース・パン・ゼリーなどが出てくる。

全てに値札が貼られていて、お店のシールは貼られていない。

お会計、されていないやつだ。

……言い換えれば、万引きしたやつだ。





「先輩、万引きは犯罪ですよ?」

「……ッ」

「今すぐ返してください。
先輩だけでなく、他の皆さんも」





眼鏡の奥の凍てついた瞳が、久遠先輩たちを睨む。





「…フッ」

「何が可笑しいんですか?」





久遠先輩が何故か笑った。

その異様な光景に、あたしや早乙女くんだけでなく、チャラい人たちも驚いていた。





「万引きして、何が悪いんだよ」




先輩は、先輩とは思えないぐらい低い声で言った。

そして怪しく微笑む。






< 103 / 137 >

この作品をシェア

pagetop