生意気毒舌年下男子
「何しているの?
牛乳買ったのなら、早くおいでよ」
「あっ……ごめん」
少し不機嫌そうな早乙女くん。
早乙女くんは入り口に向かって歩き出したけど、あたしは警察の人の会話が気になって、その場に止まっていた。
「幸来、何しているの?行くよ」
「……」
「そういえばその少年、万引きされる数日前に病院に運ばれたんですよ」
「運ばれた?」
「腹痛で倒れている所を発見されて、病院に運ばれたんです」
「何でです?」
「少年のお腹の中から、裁縫針が見つかったんですよ」
あたしの手を握る早乙女くんの手が、震え始めた。
早乙女くん……?
「父親の愛人が、どうやら食品に混ぜて彼のご飯を出したようで。
でも彼自身は、お父さんの迷惑になるから言わないでほしいって泣きながら頼んできて。
あまりにも必死でしたから、ワタシたちも言わなかったんです。
そうしたら後日、警察に彼が来て。
驚きましたよ。
まさか彼が、最近有名な万引き犯だったなんて。
彼は万引きを繰り返しただけではなかったことも判明して」
「何していたんです?」
「彼が万引きを繰り返していたコンビニが潰れましてね。
しかも後日、
そこの店長が店内で首を吊って自殺したんです」