生意気毒舌年下男子
「……ッ」
隣で辛そうに頭を押さえ始めた早乙女くん。
「早乙女くんッ!?」
あたしはしゃがみ込んだ早乙女くんの手を握った。
「そうそう、その少年の名前、早乙女でしたね。
珍しい名前で覚えていて――――って、はっ!?」
警察の人が、2人一斉に早乙女くんを見る。
そしてずっと若い方に少年の話をしていたお巡りさんが、若い方に言った。
「彼です……」
「え?」
「彼が、その少年です……」
お巡りさんの言うことに、あたしだけではなく、若い方も驚いていた。
早乙女くんが……万引き犯?
どうして………。
あたしは何も言うことが出来なかった。