生意気毒舌年下男子
「そういえばさっき、コンビニでどうしたの?
いきなりしゃがんだから、驚いちゃったよ」
「ごめんごめん。
あれ、俺も驚いたからさ。
まさかあの話しているとは思わなくて」
あの警察の人が話していた話なら、聞いたことがある。
一時期新聞にも載っていたほど、有名な話だったから。
でもまさか、
あの万引き犯の少年が、
早乙女くんだったなんて。
当時のあたしは信じられなかったよ。
「だから久遠先輩たちに色々言えたんだね」
「俺と同じ過ちを、犯してほしくなかったから」
「優しいんだね早乙女くん」
「…前の俺だったら、流していたよ。
幸来に会ってから、俺は変わっているよ」
ふわふわふわふわ、雲のような会話。
でもそろそろ、地に足を付けて会話しないと。
「聞いても良い?早乙女くんの…過去」
「……1度しか言わないけど、良い?」
「うん」
早乙女くんはさりげなくあたしの手を握り、話し始めた。