生意気毒舌年下男子
でもその数日後に会った俺の1コ上の先輩・上野幸来は。
同じ“サラ”でも、全く性格が違った。
いくら毒を吐いて遠ざけようとしても。
いくら生意気なこと言っても。
離れようとしない。
その上俺に好きだまで言って来た。
…マジ信じられねー。
幸来に出会ってから。
俺が万引きをしたいや、切りたいなどと言った衝動は出て来なくなった。
それでも包帯を外さないのは、また切るんじゃないかと言う恐怖心が少なからずあるから。
でも俺は、幸来と別れたくない。
別れてしまったら、俺はまた、自分を傷つけなくては生きていけない。
精神安定剤を手放すようになったのも、幸来がその代わりになってくれているから。
今の俺の精神安定剤は、幸来なのかもしれない。
キミには、笑っていてほしいから。
こんな俺なんかより、良い奴がいるかもしれないけど。
俺はキミを、手放したくないんだ。
幸来。
幸来。
これからも、
俺の傍にいてほしい―――……。