生意気毒舌年下男子

真実を知る君









チャイムが鳴り、あたしたちは離れた。

授業1時間サボッちゃったなー。

あたしは苦笑いをしながら、二瑚の包帯を再度巻いた。




「万引きしたくなったら、切りたくなったら、辛くなったら、すぐにあたしに連絡して?
あたしが必ず、飛んで行くから」

「……ありがとう」




毒舌でも生意気なんかでもひねくれているわけでもない。

ただ強がっているだけ。

本当は誰よりも優しくて、誰よりも強くいたいと思うだけ。



だから何かあったら、すぐに沈んじゃうから。

すぐに手を伸ばせるよう、あたしはいるから。



年上だからじゃない。

お隣さんだからじゃない。




あたしは好きだから。

二瑚の哀しみを、苦しみを、取り除きたいから。

二瑚のことを、闇から救いたいと本当に思うから。

二瑚を照らす光になりたいと、本気で思うから。





あたしは二瑚の隣でいつまでも、笑っていたい。

大好きだから。

本当に、大好きだから。




ううん、違う。




二瑚を、

愛しているから………。






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