生意気毒舌年下男子
「早乙女くんと綿貫沙羅が万引きを繰り返して、閉店したスーパーあったでしょ?
店長の自殺したスーパーが」
二瑚が顔を歪めた。
ギュッとあたしは強く二瑚の手を握った。
「あたしは自殺した店長の娘よ。
その後あたしは親戚に引き取られ、生まれた子どもが慎なのよ」
雫と慎くんが…姉弟じゃない!?
自殺した店長の娘!?
…信じられない真実が、次々と浮かんできた。
「あたしはずっと、パパを殺した万引き犯が許せなかった。
でも綿貫沙羅は自殺して…残っているのが早乙女くんだけだった」
綿貫沙羅が自殺!?
「二瑚知っていたの?」
「…いや。
サラとはサラが逮捕された日から会っていなかった。
あの頃は俺も携帯電話を持っていなかったしな」
「自殺したのよ。
早乙女くんと同じよう、万引きをしたいと言う衝動からリストカットを続けてね」
「一緒にしないでッ!!」
あたしは叫んだ。
雫が驚いていた。
普段、あたしが雫に大声を出すことなんてなかったから。
「二瑚は万引きがしたくて切ったんじゃないわ。
自殺した店長の娘…雫が泣いているのを見て、自分を責めたのよ。
綿貫沙羅さんと、一緒にしないで。
二瑚は二瑚なりに罪を償っているのよ!?」
いくら親友でも。
愛した人を馬鹿にされたくはなかった。