生意気毒舌年下男子
「気が付いてねぇのか」
何に…?
「今にもお前、泣きそうな顔しているぞ」
え……?
「泣きてぇんだろ。なら泣け」
「泣きたくなんて…」
「そんな顔のまま行ったら、学校の奴らに言われるだろ」
「……」
「ここで思う存分泣いて行け。
泣き顔見られたくなかったら、トイレにでも行け」
「でも…遅刻しちゃうよ……」
「大丈夫だろ」
何の根拠が…。
そう思ってあたしは、早乙女くんの視線の先を見た。
早乙女くんが見ているのは、電光掲示板。
何分にどこ行きの電車が何両で来るかが表示されている。
その下に、【○○駅で人身事故発生……】などと書かれていた。
「何分か電車が遅れたら、遅延証明で遅刻にならないだろ。
運が良いんだから、泣いて良い。
時間潰して、遅延証明使えば良いだろ」
早乙女くん……。