生意気毒舌年下男子
あたしは泣きだした。
本当は、凄く辛かったんだ。
あれぐらいの混み具合、朝なら慣れている。
あんなこと、今までなかった。
何で今日、あんなことあったんだろう?
早乙女くんがいなかったら、あたしはどうしていただろう?
きっとトイレに駆け込んで、1人声を殺して泣いていたかもしれない。
普段授業はサボるまいと誓っているけど、サボりたいと思うほど。
凄く……怖かった………。
早乙女くんがいてくれて、良かった。
毒舌だけど、凄く優しい。
この優しさに、あたしは救われたんだ。
同時に、遅延証明書にも感謝しよう。
もらえれば、あたしは遅刻しない。
早乙女くんも、遅刻にはならない。
転校初日から遅刻なんて、印象悪いだろうから。
まぁ、イケメンだから…問題なさそうだけど。
「泣き顔」
「え?」
「ブサイクだな」
突然言われ、あたしの世界の時が止まった。