生意気毒舌年下男子
人差し指をあたしの唇から離した早乙女くんは、「そうだぁ」と可愛く呟いた。
まるで漫画に出てくる可愛らしい後輩みたいで、良い!
「どこか2人っきりになれる所ありません?先輩」
「え?突然どうしたの?」
「良いから、教えてくださいよ先輩」
可愛らしく甘えてくる早乙女くん。
…あたしよりも、相手に可愛く見せる方法、知っているよね?
何だか少し、嫉妬した。
男受けしてほしいわけじゃないけれど。
もしあたしが早乙女くんみたいに、可愛らしく相手に甘えることが出来たらな……。
「せーんぱいっ?」
「あ、ごめんね。行こうか」
考えた末、ベタな体育館裏にした。
誰もいないし、誰の声も聞こえない。
2人っきりになれるのには、丁度良い場所だと思った。
「体育館裏ですかー」
「うん、王道だけどね」
「王道過ぎてつまらない」
…はい?
早乙女くんは、ニヤッと悪魔のような笑みを浮かべた。