生意気毒舌年下男子
「色々聞きたいことあるんだよねー俺」
あれ?
敬語は?僕は?
どうしたんだ……?
「どうしたんだそんなに放心して。
馬鹿な顔に、拍車がかかるけど」
…何なの、コイツ。
本物の、二重人格なわけ!?
あたし…騙されたってわけ……!?
「もしかして俺の演技に騙された?
うわー、単純すぎて、笑えねーわ」
このっ……
「腹黒二重人格男子め!」
「そのまんますぎ。
ネーミングセンスないわけ?」
「さっきまであんなに…ッ!」
「さっきまであんなに可愛い後輩だったのに、その変わりっぷりは何?
そうとでも言いたいの?」
図星のため、あたしは黙ってしまった。
「図星?
へぇ、面白いほど丸わかり。
多分俺じゃなくても、言いたいことわかるよ?
アンタ将来、詐欺にでも引っ掛かりそー」
アハハと楽しそうに笑う早乙女くん。
その笑顔はもう、さっきまでの天使のような可愛らしさはない。
……悪魔だ、完全に。