生意気毒舌年下男子
「良かったわ。
7時にエントランスにいるよう言っておいたから。
今行けば、会えるんじゃないかしら?」
「わかった。
お母さん、その子の名前は?」
「早乙女くんよ」
早乙女、ねぇ。
難しい名前ですこと。
「わかった。
じゃあ、行ってきまーす」
あたしは鞄を肩にかけると、扉を開け、エレベーターに向かって行った。
すると。
エレベーター前には、先客がいた。
見知らぬ制服を着ている、男の子だ。
紺色のブレザーに、同じく紺色のズボン。
後姿だけだから、前は見えないけど。
あたしより背が低いのは、見て分かった。
まぁあたしより背が低いと言っても。
あたしは女子の中では背が高い方だ。
バスケ部に入っているわけじゃないけど、170はある。
うちの家は背が高い家系だかららしいけど。
この子、身長は……167ぐらいかな?