生意気毒舌年下男子
授業が始まった。
範囲は前の学校でやったところ。
テキトーにノートは取るけど、聞き流していた。
「なぁなぁ」
「ん?」
声をかけられ、めんどくさいと思いながらも、笑顔を作った。
俺に声をかけてきたのは、チャラそうな男子だった。
「俺、内山慎(うちやま・しん)!
隣の席同士、仲良くしよーぜ」
「うん、よろしく」
「早乙女、下の名前は?」
「二瑚だけど」
「じゃ、ニコっぺって呼ぶな」
ニコっぺ?
何だそのあだ名は…。
ネーミングセンス、上野幸来以下じゃねぇか?
内心で大きな溜息をついた。
「そのあだ名、どうかと思うけど…」
「え?駄目なの?」
「駄目じゃないけど……」
正直、俺のキャラじゃないような…。
てか俺、下の名前好きじゃねぇから、あんまり呼ばないでほしいんだけど?