生意気毒舌年下男子
「駄目じゃないなら、そう呼ばせてもらうな。
ちなみに、俺のことは…そうだなぁ」
「慎って普通に呼ばせてもらうよ……」
「え?そうなの?…まぁ良いか」
気に入らないのか、口を尖らせる慎。
コイツのことだから、自分のことも変なあだ名で呼ばせるつもりだったんだ。
危なかった、止めておいて……。
「そ~いえばニコっぺさ」
「何?」
そのあだ名も、渋々認めることにした。
本当は認めたくねーけど。
「2年生の幸来ちん先輩と一緒にいたよね?」
幸来ちん先輩?
本当コイツのネーミングセンス、どうにかならねーの?
多分、“幸来ちゃん先輩”を略したんだろうけど。
「慎、上野先輩を知っているんだ?」
「まあね~。
3年の久遠先輩が好きな女子生徒ってことで、校内ではかなり有名だよ。
久遠先輩ってモテるから、諦める女子とか多いんだけど、幸来ちん先輩は諦めないからね」
…へぇ、あの久遠って奴、モテるんだ。
「付き合ってはいないみたいだよ。
久遠先輩に1番近い女子だけどね~」
久遠に…1番、近い女子……。