生意気毒舌年下男子
赤面のあたしと君
☆幸来side☆
遅刻寸前で、あたしは教室内に滑り込んだ。
あたしが鞄を置いた瞬間、先生が入ってきた。
この学校では、先生が入って来た時点でいなかったら遅刻。
危なかったぁ~。
ホームルームを終え、あたしが1時間目の準備をしていると。
あたしの机を叩く人がいた。
「雫(しずく)、おはよう」
「おはよ幸来ちん!
早速だけど、聞きたいことがあるんだ!!」
あたしの親友・内山雫。
あたしのことを不思議なあだ名で呼んでいる。
雫って名前が似合うぐらい、透明感のある優しい子なんだ。
「朝、校門前で久遠先輩と会ったでしょ!?」
「さ、さすが雫……」
雫は学園1の情報通。
生徒の関係とかはたまた先生までの関係も知りつくした、まさに情報屋さん。
しかもその情報は正確だから、誰からも雫は信頼されている。
生徒はそういう誰も知らないような情報が、好きみたいだから。
1番人気なのは恋に関することだと、前に雫が言っていた。