生意気毒舌年下男子
「誰なのあのイケメンくんは!」
「あたしの隣に越してきた子だよ。
そういえば1学年下だから、慎くんと会っているんじゃない?」
雫には1学年下の弟・慎くんがいる。
雫が学園1の女の情報通なら、学園1の男の情報通は慎くんってほど、慎くんも雫に劣らない情報通。
「慎に聞いてみよーっと!」
すぐさまスマホを取り出し、慎くんにメールを始める雫。
お互い集めた情報を交換するほど、雫は慎くんと仲が良い。
きょうだいのいないあたしにとって、微笑ましい光景だった。
「あ、返信来た!」
早いな慎くん。
「幸来ちん、もしかして名前は早乙女二瑚くん!?」
「ニコ……?」
早乙女って名字だけど。
アイツ、二瑚って名前なんだ。
…確かにニコッて笑えば、かっこいいかも。
性格は最悪だけどね。
「多分そうだと思う」
「多分って何よ。信憑性がないじゃない」
「確かに早乙女くんだけど…。
下の名前は聞いていないもん」
1回聞いたけど、その質問流されちゃったし。