生意気毒舌年下男子
「すぐに女子の人気者らしいよ!」
まぁかっこいいからね。…外見だけは。
ただニコニコ笑っていれば、天使だけど。
中身は悪魔としか言いようがないものね。
「でも前の学校に彼女がいたんだって!
女子たち、凄くショック受けているみたいだよ」
え?
前の学校に……彼女?
「…幸来ちん?どうした?」
「……何でもない。
次移動教室だよね、行こうよ」
あたしは筆箱と教科書を握りしめ、立ち上がった。
雫が慌てて追いかけてくる。
「どうしたのよー幸来ちん」
「何でもないよ」
本当、どうしたんだろうあたし。
可笑しいよ。
何でこんなに動揺しているの。
馬鹿じゃないの?
あたしが好きなのは…。
早乙女くんじゃない。
久遠先輩だよ………?