生意気毒舌年下男子
早乙女くんはあたしを見ると、隣にやってきた。
あたしより背が低いけど、あたしが座ると、不思議と威圧感があった。
「慎はどこに座りましたか?」
「あ…あそこ」
斜め前を指さすと、早乙女くんはフイとあたしの隣に座った。
持っていたお盆を、コトンと目の前に置く。
どんぶりの中身は、湯気の立つラーメンだ。
「…何で隣くるの?」
「慎が、俺の前に座れと言うものですから」
「…なるほど」
隣になっちゃうわな、そりゃ。
「食べないんですか」
「雫来ていないから…」
「雫…?」
「あたしの友達。
慎くんのお姉さんだよ」
「……そうですか」
フイとあたしから視線をそらす早乙女くん。
「早乙女くん、下の名前…二瑚って言うんだね」