生意気毒舌年下男子
嘘をついている?君
☆☆☆
再び時が過ぎ、放課後。
そういえば、早乙女くんのことがあったから忘れていたけど。
久遠先輩、食堂で会えなかったなぁ~。
いたとしても、あんなことがあったから、探すの忘れていたよ。
今度会えると良いなぁ~……。
「幸来ちん!帰ろ!!」
「うん!」
雫が廊下から手招きしている。
あたしも急いで鞄を持って、廊下に出る。
ただし、雫と一緒に帰るのは、校門まで。
雫は学校からほど近い場所に住んでいるんだ。
あたしは雫の家とは正反対の、駅へ行くから。
校門までの短い間、あたしは雫と話していた。
「幸来ちん、ニコっぺのこと好きじゃないの?」
「好きなわけないじゃん!
だってアイツ、前の学校にか、彼女…いるんでしょ?」
てか、慎くんの言っていたニコっぺってあだ名、雫にも伝染しているんだ。
というか、雫ってば、何を言い出すのだろうか?
あたしは彼女持ちなんて言う叶わない夢は、抱かない。
久遠先輩みたいに人気なだけって言うなら、諦めないけど。