生意気毒舌年下男子







「それって、本当なのかな~?」



可愛らしく首を傾げる雫。

雫が人気な理由って、情報通って所だけじゃなく、可愛いって部分もあるんだよね。




「どういうこと?」

「ニコっぺ、本当に彼女いるのかな?」

「いるから、いるって言ったんでしょ?」

「ニコっぺって見るからにモテそうじゃん?
女子が寄ってこないよう、彼女いるって嘘ついているとか」




嘘、ねぇ…。

早乙女くんなら、考えそうなことではあるけれど……。




「少なくとも、私と慎は、そう睨んでいるよ」

「慎くんも?」

「うん。
クラスの子に彼女いるかって尋ねられた時、ニコっぺ一瞬、間を作ったんだって」

「間を…?」

「そう。
だからもしかして、彼女いないんじゃないかって。
女除けのために、彼女いるって嘘ついているんじゃないの?」





そこまで話したところで、校門に着いた。

校門で止まって話したいけど。

先生たちが小学校みたいに「さよなら~」とか言っているから、話せない。

話していたら、きっと怒られちゃう。




「家隣なんでしょ?色々聞いてみれば?」



雫は楽しそうに微笑みながら、あたしに手を振って帰って行った。

あたしも振り返し、駅までの道を歩き始めた。






< 46 / 137 >

この作品をシェア

pagetop