生意気毒舌年下男子
「それって、本当なのかな~?」
可愛らしく首を傾げる雫。
雫が人気な理由って、情報通って所だけじゃなく、可愛いって部分もあるんだよね。
「どういうこと?」
「ニコっぺ、本当に彼女いるのかな?」
「いるから、いるって言ったんでしょ?」
「ニコっぺって見るからにモテそうじゃん?
女子が寄ってこないよう、彼女いるって嘘ついているとか」
嘘、ねぇ…。
早乙女くんなら、考えそうなことではあるけれど……。
「少なくとも、私と慎は、そう睨んでいるよ」
「慎くんも?」
「うん。
クラスの子に彼女いるかって尋ねられた時、ニコっぺ一瞬、間を作ったんだって」
「間を…?」
「そう。
だからもしかして、彼女いないんじゃないかって。
女除けのために、彼女いるって嘘ついているんじゃないの?」
そこまで話したところで、校門に着いた。
校門で止まって話したいけど。
先生たちが小学校みたいに「さよなら~」とか言っているから、話せない。
話していたら、きっと怒られちゃう。
「家隣なんでしょ?色々聞いてみれば?」
雫は楽しそうに微笑みながら、あたしに手を振って帰って行った。
あたしも振り返し、駅までの道を歩き始めた。