生意気毒舌年下男子

あたしが入ったところで、扉が閉まる。




「ちょっと、危ないでしょ！？」




あたしは下降中、その少年に聞いた。




「危ないのはどちらです？」




良く通る良い声で、彼は言う。

発音も滑らかだ。





「入るかと思って開けておいたら、その場に突っ立って乗り込もうとしない。
だったら扉を閉めるに決まっているじゃないですか。
そうしたら我に返ったように慌ただしく乗り込んできて。
……一体、どちらが危ないんでしょうね………？」




ニヤリ、と笑う彼。



た、確かに正しいことだけど…。

…………………。





「ご、ごめんなさい……」




あたしが折れた時、エレベーターが１階に到着した。



そうだ。

エントランスに早乙女くんがいるんだっけ？

あたしはエレベーターを出て、エントランス内を見つめた。