生意気毒舌年下男子








☆二瑚side☆





アイツ―――上野幸来と別れ、俺は真っ直ぐリビングに行った。

静かで真っ暗な室内にも、もう慣れた。




リビングに入ると、テーブルの上に皿が乗っていた。

その中身は、ナポリタン。

その横には、“あの人”の字で【夕ご飯よ】と書かれていた。

俺はそれを手に持ち。




「……」




思い切り床に、ぶちまけた。

皿は落とさず、中身だけ。

オレンジ色のナポリタンが、床に散らばった。

ベチャッとナポリタンが落ちる音と同時に、




チャリンッ……




金属音もした。





…危なかった。

上野幸来のお母さんの夕ご飯食べておいて良かった。

俺は金属音を鳴らした、数本の裁縫針を拾い上げた。




…本当、物騒なんだから。






< 62 / 137 >

この作品をシェア

pagetop