生意気毒舌年下男子
「だから僕、こうして上野先輩に告白したんです。
久遠先輩から告白されるようにね」
「俺……?」
あたしと同じよう驚いている久遠先輩。
そりゃ驚くよね…?
「上野先輩は優しいですから。
僕から告白されたら、きっと断れない人だと思ったんです。
だから、久遠先輩から告白出来るよう仕向けたんです。
久遠先輩、前からずっと上野先輩のこと好きでしょう?
上野先輩が久遠先輩のことを好きなのは有名ですから。
でも久遠先輩は一向に告白をしようとしない。
だから僕が、協力してあげたんです。
僕が告白したら、久遠先輩も告白するだろうなって思ったので。
良かったですね上野先輩!
憧れで大好きな久遠先輩からの告白ですよ!!」
心底嬉しそうに笑う早乙女くん。
その変わりっぷりに、驚く暇はない。
あたし、久遠先輩に告白された……?
嬉しいはずなのに……。
何であたし、寂しいなんて思っているの?
久遠先輩に告白されたんだよ?
入学式に迷子になっていたあたしを、案内してくれた日から。
あたしはずっと、久遠先輩が好きだったんだよ?
それなのに。
何であたしは、嬉しいと思っていないの?
何でこんなにも……
「……ッ」
泣きたくなるの……?