生意気毒舌年下男子
早乙女くんは、お盆を持っていなかった。
手に持っているのは、サンドイッチ。
昨日のラーメンは400円だけど、サンドイッチは100円だ。
…偉く安くなったな……。
「足りるの?そんなに少なくて」
「え?…ええ、まあ」
ニコッと早乙女くんは笑う。
その笑顔がぎこちなく見えたのは、気のせい?
「先輩は、久遠先輩と一緒にご飯ですか?」
「え?
う、うん……まあね」
「そうですか。
じゃあ慎、僕らは別のところ行こうか。
2人の邪魔をしちゃ駄目だからね」
「そうだなニコっぺ。
では、幸来ちん先輩!」
2人は人混みにまぎれ、見えなくなってしまった。
何でだろ…。
何でこんなにも、寂しいんだろう?
久遠先輩に告白されたのに。
何でこんなにも、1人ぼっちだと感じるのだろう?
「幸来ちゃん、お待たせ。
混んでいたから、遅くなっちゃった」
「そうですか。
では、食べましょうか」
目の前にラーメンを置いた久遠先輩。
あたしはそれを見て、少し哀しく思えた。