生意気毒舌年下男子
強くて、どこか弱い君
☆☆☆
次の日、エントランス。
あたしは誰もいないのを見て、心が沈んだ。
早乙女くん、いない……。
昨日言ったことは、本当なんだ。
道覚えたんだ…早いな……。
「あら、幸来ちゃん?」
オートロックを解除して入ってきたのは、一子さんだった。
…何で母である一子さんが、こんな朝に帰ってくるの?
お仕事、何しているか知らないけど、忙しいのかな?
「今から学校?」
「はい」
「二瑚は?」
「…道覚えたから、先に行くって言っていました……」
「あらそうなの?」
可愛らしく首を傾げる一子さん。
美人さんは何しても得だから、良いよねー。
何であたし、遠い目なんてしているんだろうか?
あたし未成年で若いはずなのに…何だかオバサン臭い?