生意気毒舌年下男子
「10、9、8、7、6……」
カウントダウンが始まるけど、答えられるわけない。
そのまま固まっていると、いきなり頭をはたかれた。
「イタッ!何するの?」
「答えられないことを俺に言うな」
背はあたしより小さいくせに、何でこんなに痛いのよ。
ズキズキする頭を押さえ、あたしは項垂れた。
「ほら、ボサッとするな。行くんだろ」
「え?どこに?」
てか何でアンタと?
アンタとなんて、行きたくないんだけど。
出会って数分だけど、あたしはすでに彼が嫌いになっていた。
「は?アンタ、遅刻するつもりか?」
「遅刻?
……あああ――――――ッ!」
「うるせぇ!
近所迷惑だ、さっさと行くぞ!!」
そうだ!
あたしこの早乙女くんを学校まで案内する役目があるんだ!!
モタモタしていたら、あたしまで遅刻しちゃうよ!!!
あたしは急いで、エントランスを出ようとしている早乙女くんを追いかけた。