生意気毒舌年下男子
帰り道。
あたしはトボトボ歩いていた。
一子さんの言葉が離れることはなく。
ずっと授業中もその言葉ばかりエコーされていた。
上の空だったため、先生には叱られた。
お弁当の時間も、久遠先輩と食べたけど、何を話したか覚えていない。
ホームで電車を待っていると。
頭をはたかれた。
こんなことをする人は、1人しかいない。
あたしはゆっくり振り向いた。
「…幽霊みたいだぞ」
「……」
怪訝な顔であたしを見るのは、他でもない、早乙女くん。
「どうしたんだよ」
「………」
「おーい?」
「…………」
「幸来?」
突然呼び捨てにされ、声は出なかったけど、驚いて後ずさりをした。
「なっ…なななっ!」
意味の分からない言葉を言うと、早乙女くんは笑いだした。