生意気毒舌年下男子
好き。
この言葉は、簡単に出てきた。
久遠先輩と付き合えて嬉しいはずなのに。
何で寂しい気持ちがあるんだろうって、疑問に思ってた。
でもその答えは、簡単に出た。
あたしは、
早乙女くんが好きだったんだ。
出会って2日目だけど。
短すぎないかって突っ込んだけど。
あたしは、
早乙女くんが好きなんだ。
いつしか、
ずっとずっと彼女の座を狙っていた久遠先輩よりも、
早乙女くんが好きになっていた自分がいたんだ。
だから教室で泣いたんだ。
ラーメンを見て、哀しい気持ちになったんだ。
あたしと久遠先輩をくっつけたことが、あたしはどうしようもなく哀しかったんだ。
嬉しいって思う半面、何で早乙女くんじゃないのって思ったんだ。
ラーメンもそう。
ラーメンを食べている人は大勢いるけれど。
食堂に普段行くことのなかったあたしにとって、ラーメンを食べる人は、
早乙女くんだけだったんだ。
早乙女くんが食べていた、何の変哲もないラーメン。
だけどあたしにとっては、大事なラーメンだったんだ。