生意気毒舌年下男子







電車が走り出す。

ホームには、誰もいない。

いるのは…あたしと早乙女くんだけ。





「…何でだよ……」

「え?」




耳元で呟く早乙女くん。






「何で…離れようとしないんだよ……」




辛そうに震える早乙女くんの声。

いつも自信で溢れている声じゃない。

こんなに…弱い声、聞いたことない……。





「母さんから…聞いたんだろ……?」

「え?」

「俺が、人の人生壊すの…得意だって話」




何でそのことっ……。





「俺、幸来と母さんが話していた時、聞いていたんだ。
隠れていたから、母さんも幸来も気が付かなかったみたいだけどな…」




あの場所にいたの!?

早く行ったのかと思った……。

あたし、学校着くのギリギリだから……。





< 85 / 137 >

この作品をシェア

pagetop