生意気毒舌年下男子
電車が走り出す。
ホームには、誰もいない。
いるのは…あたしと早乙女くんだけ。
「…何でだよ……」
「え?」
耳元で呟く早乙女くん。
「何で…離れようとしないんだよ……」
辛そうに震える早乙女くんの声。
いつも自信で溢れている声じゃない。
こんなに…弱い声、聞いたことない……。
「母さんから…聞いたんだろ……?」
「え?」
「俺が、人の人生壊すの…得意だって話」
何でそのことっ……。
「俺、幸来と母さんが話していた時、聞いていたんだ。
隠れていたから、母さんも幸来も気が付かなかったみたいだけどな…」
あの場所にいたの!?
早く行ったのかと思った……。
あたし、学校着くのギリギリだから……。