生意気毒舌年下男子
「何で捨てちゃうの?
洗えばまた使えるじゃない…」
まるで姑のように言ってくる幸来。
だけど、捨てるしかない。
「…洗えねーから、捨てるんだ」
「へ?」
「この家、水道も電気も通っていないから」
「は!?」
水が出ねーのに、どうやって洗うんだよ。
マンションの下には車を洗うようなのか、水道があるけど。
あそこまでわざわざ行って洗うのは、めんどくさいし恥ずかしい。
「電気も?」
「うん」
俺は机につけられているライトのスイッチをオンにした。
しかし、点く気配はしない。
「何で…」
「払ってねーから止められるに決まっているじゃねーかよ」
「払ってない!?
一子さんたちが払ってくれないの?」
「母さんはこの家、関係ないからな」
「関係ない…?」
「母さんはまた別のところに住んでいるから」
単刀直入に言えば、母さんと父さんは別居状態だ。
そのことを言うと、幸来は驚いていた。
そんなに珍しいことなのか?