生意気毒舌年下男子
「会ってないよ」
「……そう」
母さんはエプロンを巻き、台所へ向かう。
そして電子レンジをいじり、すぐに目の前にナポリタンを置いた。
「………」
「どうしたのよ二瑚、食べなさい」
「……いただきます」
母さんのことを眺めていたけど。
鏡花さんのように、裁縫針はいれていないみたいだった。
軽くかき混ぜ、安心なことを確認した。
金属音は聞こえない。
「いただきます」
俺はそこで、ようやくナポリタンを口へと運び始めた。
変なものを噛まないよう、ゆっくり租借した。
変な感覚はないから…大丈夫だ。
「そうだわ二瑚、これ」
母さんはテーブルの上に、1万円札を置いた。
「お昼と夜ご飯代よ。
朝ご飯はいらないでしょ?」
「うん」
「アンタのせいで、うちは大変なんだから。
いまだ全部返せていないのよ?」
母さんの言葉に、思わずドキッとした。
幸来を抱きしめた時のドキドキとは違う。