家族という名の宝物
「バレたんだからもういっしょ。
未来のことは好きじゃなかったって
いってあげなよ♪」
凛が、小声でそう話した。
終わったな。私の初恋。
そう思ってると、和希が口を開いた。
「…ごめん、未来。未来のことは好き
だったよ。でも、凛と一緒にいると
なんか変だった。未来と一緒にいる時 より、凛と一緒にいるとドキドキが
すごかった。凛の明るさに惚れてしま
ったんだ。最初はダメだってわかって
た。でも、凛と心が通じあってると
思うと、やめられなかった。
だからごめん、未来、別れよう。」
とうとう言われちゃった。
悲しいなんて思ってない。はずなのに。
涙が…とまら‥ないよ……
「今までありがとう。…木梨くん」
木梨くんとは、精一杯の抵抗だった。
もしかしたらって。
もう一回、振り向いてくれるんじゃないかって。
そんな思いは打ち砕かれたけど。
「ごめん、未来。」
そう言って和希は、帰っていった。
「和希まって!」
と、凛が余裕の笑みで追いかけてった。