家族という名の宝物

桐の教室の前に来た。

「あっ!峯岸さん、どうしたの?」

「え…あ、あの、桐…いる?」

「あー、桐くん?いるよー」

まっててね、と
桐を呼びに行った女の子。

「連れてきたー」

「あ、ありがと……」

「お前…」

「桐…あ、あのね」

「わりー。戻るわ。」

え……

「ちょ、桐くん⁉︎」

ヤダ、待って、桐…

「待って…桐…は、話が、あるの…っ」

やばっ…涙が…

「えっ…み、未来?わかったから、泣くな…な?」

「うん…」

「屋上……いこ?」

やっぱり屋上。
桐と話すときは、いつも屋上だね。

「うん……」
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