誠の華-アサガオ-
「おい、これは一体どういうことだ」
数日後の晩、俺は喜助の家へ向かう途中に忍装束に身を包んだ凛に出くわした。
「ちっ」
凛は俺を見るなり舌打ちし、軽やかな身のこなしで俺から距離をとると苦無を構えた。
俺は親父からもらったばかりの刀を咄嗟に構えるが、人を切ったことがないために手が震えて持つことだけで精一杯だった。
一方、凛は俺を殺すために急所目掛けて苦無を一気に投げた。
キンッ、キンッ、キンッ
全てを跳ね返し、彼女の喉元へ刀を突き刺そうと瞬間、俺の刀を止めるべく黒い影が目の前を横切った。
ガキンッ