誠の華-アサガオ-
男を(無理矢理)連れて帰り、周助先生の部屋へ通すと私は驚愕した。
なぜかって?
「じゅ、17?!こんなに大人びた容姿をしていて私より年下なの?!」
背が高くズバ抜けた容姿を持ちながら私より二つも年下だった男の名は斎藤一。
「なら俺と同じ年だな!俺の名前は藤堂平助!!よろしくな、一!!」
私の気持ちなど露知らず、平助は斉藤に絡み始めた。
「あぁ、悲しい」
思わず倒れ込むと宗次郎が受け止めてくれた。
「何でそんなに萎れてるの?」
「分かんない。分かんないけどなんか胸にズンと棘が刺さった気分」
「ふーん」
聞いて来たくせにどうでも良いと言わんばかりの返事。
別に良いけど。
「斎藤君、事情は分からないが追われているんだね?君さえ良ければしばらくここにいると良い」
「ありがたいお言葉ですが、迷惑をかけるわけにはいきません」
周助先生の言葉にもきっぱりと断る斎藤。
このまま外へ出ても大丈夫なのだろうか。
私達の心配を他所に斎藤は試衛館を出て行った。