誠の華-アサガオ-





もしかしたらおミツさんは10年前に総司を試衛館に預けてからずっと自分を責めていたのかもしれない。



私はおミツさんの手を両手で包むとハッキリと言った。




「私に任せてください、おミツさん。総司とは兄妹みたいにずっと一緒にいたんです。今まで同様に総司を守っていきますよ」



今まで守ったことがあったかどうかは分からないが今はそう言っておいた。




「総司と兄妹ねぇ…なら、雪は私の妹になるわね」



そう言っておミツさんは微笑んだ。



「おミツさんが私のお姉さんなら、私は逞しくなれそうです」



「ふふ、そうかもね。いい、雪。女は根性さえあれば男の人と並べるのよ。一度決めたら誰に何を言われても決して自分の気持ちを曲げないあなたなら総司や歳三、勇さんだって支えられる。頼んだわよ」



「…はい、任せてください!」




怒ると誰よりも怖いけど、いつだってみんなの事をしっかり見ているおミツさんは、私の永遠の憧れだ。



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