誠の華-アサガオ-
「あ、雪に姉上。こんなところで何をしてるんですか?」
「少しお話をしていただけよ、私達の妹と」
ミツがそう言うと総司はピクッと眉を動かした。
「姉上は相変わらず意地の悪い人ですね」
「ふふふ。あら、なんのことかしら?」
「白々しい」
長年総司が雪に恋心を抱いているのを知っているミツは総司をからかい倒すが当の雪と言えば夜空を見ているだけで、沖田姉弟の痴話喧嘩など全く耳に入っていなかった。
「姉上、いずれ僕は本当に雪を姉上の妹にしてみせますよ」
「あら、頼もしい。それじゃあ首を長くして待っているわね」
総司がミツに宣言すると、未だに夜空に顔を向けている雪を立たせた。
「宗次郎?」
「総司だよ。もうそろそろ寝よう」
「そうだった。なかなか慣れないね」
二人で部屋に戻ると既に平助と一が布団を敷いていた。